前書きにかえて
子どもは学校に行かなくてはならないと、多くの親や親の役割をしている人は考えているかもしれない。
でも、その考えはあまり正確ではない。親と親の役割をする者は(たいがい大人と言われる部類の人になろうが)、子どもが学校へ行きたいと行ったら義務教育(小学校と中学校)に行けるようにしなくてはならない。教育を受ける機会を大人の都合で奪ってはならないというのが、最も基本的な考え方であるはずだ。国連のいわゆる子どもの権利条約も日本国憲法もそのように読むことができる。
であるなら、「音楽の授業だけはやりたい」と思っていても、何らかの理由で学校へ足を運ぶことができない子どもたちが少なからずいる。そのような子は、学校へ行けない状態を大人たちを、『本人の都合』で学校に行かないだけとして放置することが許されるのだろうか?
否、それは、子どもの権利条約違反であり、憲法違反であり、そして生き物としての人間の大人の主要な役割の一つである、次世代につなぐという行為の放棄である。たとえ一人の子どもが行けない学校があれば、行ける学校に変わってもらわなくてはならない。もし、放置を許すのであれば、そのような教育が子どもにどれほどの意味があるのであろうか。
2018/9/5